エッセイ・思考 テクノロジー / ITとAI

トロッコ問題とは?AI・自動運転と人間の「正しさ」をやさしく解説

トロッコ問題ってなに?AIと関係があるの?

みなさんは「トロッコ問題(とろっこもんだい)」って聞いたことがありますか?

これは、ちょっとむずかしい話に見えますが、「もし自分が誰かの命に関わる選択をしなければならなかったら、どうする?」という事を考える、練習なんです。


ある日、トロッコが走ってきた!

たとえばこんな場面を想像してみてください。

あなたの目の前に、レールの上をトロッコ(小さな電車みたいなもの)がすごいスピードで走ってきています。
このまま行くと、前の線路にいる作業員にぶつかってしまいます!

トロッコがY字の線路に向かって走り、片方の線路には5人、もう片方には1人の作業員がいる状況を描いた手書き風イラスト。手前にはレバーと、それを前に悩んで立つ人物が小さく描かれている。

でも、あなたの手元には1本のレバーがあります。
それを引けば、トロッコは別の線路に切り替わり、そっちに行くことができます。

ただし…その別の線路には、1人の作業員がいるのです。


あなたならどうしますか?

  • レバーを引けば → 5人は助かるけど、1人が犠牲になる
  • レバーを引かなければ → 5人が犠牲になるけど、あなたは何もしていない

どちらが正しいのか、すぐには決められませんよね。

これが「トロッコ問題」と呼ばれているものです。


この問題、AIにも関係あるの?

実はこのトロッコ問題、最近はAI(人工知能)の世界でよく話題になります。
とくに、自動で走る車「自動運転車」に深く関係してくるんです。


たとえば自動運転車が…

もし自動運転の車が、避けられない事故の場面に出くわしたとします。

  • このまま進むと、歩いている5人の人にぶつかってしまう…
  • でもハンドルを切れば、電柱にぶつかって乗っている1人が大けがをする…

こんなとき、AIはどう判断すればいいのでしょうか?
そして、その判断を誰が決めるべきなのでしょうか?


AIに正しい判断はできるの?

AIは、プログラムされたルールに従って動きます。
つまり、人間がどんなルールを教えるかによって、AIの行動が決まるんです。

でも、命に関わるようなむずかしい選択を「ルール」で決めることが、本当にできるのでしょうか?


国や文化で正しさは変わる?

「何が正しいか」は、国や文化、宗教や価値観によって違います。
つまり、ある国では「5人を助けるのが正しい」とされても、別の国では「誰の命も意図的に奪ってはいけない」と考えるかもしれません。

同じトロッコ問題に対して、A国は「5人を助ける選択」を良しとし、B国は「誰の命も意図的に奪わないこと」を重視するという、国や文化による倫理観の違いを示した手書き風の図解。

このように、「AIが人間のような倫理(どう生きるべきか)を持つにはどうしたらいいのか?」という問いが、トロッコ問題を通して語られているのです。


トロッコ問題が教えてくれること

  • トロッコ問題は、「命の選択」にまつわるむずかしい問いです。
  • AIや自動運転車などの技術が進む中で、現実にも関わってくる問題になりました。
  • どんな選択をするか、そしてその選択を誰が決めるのかは、これからの社会全体で考えていくべき大切なテーマです。
トロッコ問題や自動運転のジレンマを中心に置き、その周りを「人間」「AI」「社会(ルールを決める人たち)」の3つの丸いアイコンが囲み、矢印でつながっていることを示した手書き風の関係図。

最後にひとこと

AIの進化はすごいけれど、「正しさ」を決めるのはまだ人間の役割です。
だからこそ、こういう問題をみんなで考えることがとても大切なんですね。


おすすめ記事

シニア世代の男女が、明るい表情で握力計を握りながら自分の体の状態を確かめている様子を、手書き風タッチで描いたイラスト 1

― シニア世代こそ、もう一度「握力計」に触れてみてほしい理由 ― 私たちシニア世代が、最後に握力計を握ったのは、いつだったでしょうか。 おそらく多くの人が「小学生の運動能力テスト以来」ではないかと思い ...

意見を言葉で伝える方法を模索しているイラスト 2

なぜ今、私たちは「言葉」に疲れているのか SNSを開けば、誰かの鋭い言葉や、感情を逆なでするような投稿が目に飛び込んでくる現代。たった一言で場の空気が凍りついたり、逆に何気ない一言に救われたりした経験 ...

-エッセイ・思考, テクノロジー / ITとAI
-