シニアライフと健康 趣味

鉄分補給!

鉄瓶で淹れる一杯が、心と体を整えてくれました

鉄瓶を購入して、はじめて紅茶を淹れてみました。
それだけのことなのに、いつもの時間が少し違って感じられます。

鉄瓶に水を注ぎ、火にかける。
沸騰したら弱火にして、ぐつぐつと静かに待つ。
急ぐ必要はありません。
お湯が沸く音を聞きながら、ただ待つ――
その時間そのものが、すでに心を落ち着かせてくれます。

鉄瓶のお湯は、どこかやさしい。
口当たりが柔らかく、角が取れたように感じます。
自然に鉄分も補えると思うと、
体にも良いことをしている気がして、少しうれしくなります。

紅茶をカップに注ぐと、
立ちのぼる湯気と香りが、いつもより深く感じられました。
ひと口飲んでみると、
「いつもの紅茶なのに、こんなに違うものかな」と思わず笑ってしまいます。

年齢を重ねると、
新しいことに挑戦するのは少し億劫になるものです。
鉄瓶も、扱いが難しそうに思えるかもしれません。

でも実際は、とてもシンプルでした。

最初はお茶を入れなくても構いません。
白湯でも、紅茶でも、ほうじ茶でもいい。
まずは「お湯を沸かすだけ」で十分です。

使い終わったら、中のお湯を捨てて、
フタを外し、余熱で自然に乾かす。
これだけで、サビはほとんど防げます。
拭き取ったり、神経質になる必要はありません。

洗うときも、基本は水だけ。
洗剤や金属たわしは使いません。
鉄瓶の内側は、使うほどに少しずつ育っていくもの。
それもまた、楽しみのひとつです。

もし赤茶色のサビが出ても、慌てなくて大丈夫。
一度お湯を捨てて、何度か沸かしていくうちに、
自然と落ち着いてきます。
鉄瓶は「完璧に使う道具」ではなく、
「付き合いながら慣れていく道具」なのだと思いました。

火加減も、弱火から中火で十分。
強く急ぐ必要はありません。
ゆっくり沸かすことで、お湯も、気持ちも、まろやかになります。

忙しかった頃には見過ごしていた、
お湯が沸くまでの時間、湯気の揺らぎ、静けさ。
そうしたものが、今の自分にはちょうどいいのかもしれません。

もし最近、
「ゆっくりお茶を飲んでいないな」
「少し気持ちが落ち着かないな」
そう感じることがあったら、
鉄瓶のある暮らしに、そっと挑戦してみてはいかがでしょうか。

一杯のお湯が、
今日の自分を整え、
明日の自分を、静かに支えてくれる。

鉄瓶は、そんな小さな安心を、暮らしの中に運んでくれます。

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