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脳は「変化すると決めた瞬間に若返る」――67歳から始まる脳の可能性


年齢を重ねると、ふと、こんな思いが浮かびませんか?

自分の限界を歳のせいにしている男性

「もう今さら変われないよ」

「世の中は若い人のものだなぁ」

「自分の力なんて、もう残ってないかもしれない」

私自身も、そんな気持ちが胸をよぎる瞬間があります。

人生の"折り返し"はとうに過ぎ、新しい挑戦なんて難しいんじゃないかと思うことも。

でも最近、ひとつの確信を得ました。

それが――

脳は『変化すると決めた瞬間に若返る』という事実です。

決して大げさな話ではありません。

実は、この言葉にはちゃんと脳科学の裏付けがあります。

そしてこの話を知ったとき、私は心が少し軽くなりました。

「まだまだ自分は伸びるんだ」と、そう思えたのです。


本を読むだけで人生が変わらないのはなぜ?

若い頃、私は自己啓発書を何冊も読んできました。

その中でも特に印象的だったのが、ナポレオン・ヒル博士の『思考は現実化する』です。

ナポレオン・ヒルって、どんな人?

ヒル博士は、1883年生まれのアメリカの作家です。

若い頃、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーと出会い、「成功者の共通点を研究してほしい」と依頼を受けました。

そこから20年以上もかけて、500人以上の成功者を取材。

その集大成が『思考は現実化する』という本なんです。

発売されたのは1937年。今から80年以上も前です。

でも、この本は今も世界中で読まれ続けています。

「目標を明確に」

「信じれば叶う」

「強く思え」

どれも素晴らしい言葉ですが、当時の私はどこか"当たり前のことのようだ"と感じていました。

きっと多くの方も同じだと思います。

そして、よく言われる言葉があります。

「本を読むより行動が大事だよ。」

若い頃は、正直ピンときませんでした。

ですが、今ならわかります。

行動こそが、脳を変える鍵だったのです。


脳は何歳でも変化できる――これが現実です

昔はよく、「30代過ぎたら脳は固くなる」なんて言われていました。

でも、これはもう昔話です。

今の科学では、こう言われます:

  • 70代、80代でも神経細胞は新しく生まれる
  • 新しいことを始めれば脳回路は強化される
  • 行動すれば、前頭葉はまた若返る
脳は何歳でも若返ることが出来るイメージ画像

つまり――

脳は老化するのではなく、使われないと弱るだけ。

逆に言えば、使えばいくらでも強くなる。

それが人間の脳なのです。

この考え方を知ったとき、私はすごく安心しました。

「自分はもう遅いかもしれない」なんて、思わなくてよかったんだ、と。


どうして行動で脳が若返るの?

行動するとき、体にはいろいろなことが起きています。

体を動かす → 血流が良くなり、脳に酸素が届く

新しい経験 → 神経が刺激され、新しい回路ができる

小さな成功 → 脳が喜ぶ物質(ドーパミン)が出る

この積み重ねが、脳の回路を新しく繋ぎ直すんです。

だからこそ――

読むだけで満足では変われない。小さくても「やってみる」ことが大事。

それが真実なんだと、今は素直に思えます。


ヒル博士の言葉が、深く響くようになった理由

昔は、ヒル博士の言葉を読んでも「まあ、そうだよね」と感じる程度でした。

ところが最近、脳と心と体の話を知るうちに、その言葉の奥の意味が見えてきました。

ヒル博士が言っていた

「願望は叶う」

「信念が未来を作る」

これはただの精神論ではなく、脳の働きと深く繋がっていたんだ――と。

つまり、こういうことです。

「強く信じる」→「脳が目標に向かって動き出す」→「行動が変わる」→「結果が変わる」

この流れを、ヒル博士は80年以上前に、500人以上の成功者を見て気づいていたんですね。

科学がまだ追いついていない時代に。

この気づきに胸がざわついたとき、私は「ああ、自分はまだ成長している」と思いました。


シニア世代は、実は伸びしろだらけです

面白いことに、脳科学の世界ではこんなことが言われます。

60代・70代は、実は人生でもっとも学習が深まる時期だと。

その理由は――

  • 経験が深い
  • 判断が的確
  • 心が落ち着いている
  • 目的を間違えない

若い頃のように無駄打ちをしないから、行動すれば、結果が出やすいんです。

これはもう、希望どころの話ではありません。

"現実の強み"です。


今日からできる、小さな脳の若返り習慣

せっかくここまで読んでいただいたので、今日からできる簡単な習慣を3つ挙げますね。

今日からできる小さな習慣の例を紹介した画像

① 10分だけ散歩 近所をぶらっと歩くだけでOK。景色を見て、季節を感じて。

② 5行だけ日記 「今日はこんなことがあった」それだけで十分です。

③ 1つだけ新しい言葉を覚える 新聞でもネットでも、知らない言葉に出会ったらメモしてみる。

たったこれだけ。

大きなことをする必要はありません。

疲れる必要もありません。

「ちょっとだけやってみる」

これが、脳を若返らせる最短ルートです。


最後に――67歳から始まる未来へ

年齢は、ブレーキではありません。

脳は、「もう一度やってみよう」「変わろう」

そう思った瞬間から変化します。

そしてその瞬間こそ――若返りのスタート地点です。

脳は、変化すると決めた瞬間に若返る。

ゆっくりでいい。

できる範囲でいい。

人生はまだまだ面白くなると、私は本気で思っています。

一緒に、新しい一歩を踏み出しましょう。

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