エッセイ・思考 学び直し

AIを3年使って見えてきたこと、そして実験

はじめに

AIを使い始めて3年が経ちました。

プログラミングや科学に興味がある私にとって、初めてAIに触れた時の衝撃は忘れられません。「驚異的なものが出てきた!」——その興奮は今でも鮮明に覚えています。この技術がもたらす未来に、心が躍りました。

そんな私が最近、AIに対してある実験を行いました。その結果、「ここまで来ているのか」と改めてAIの推論能力の素晴らしさを実感したのです。今日はその実験結果を紹介したいと思います。

実験内容

実験の内容はシンプルです。私とAIの会話を元に、その会話の内容を「ショートショート」で有名な星新一風の文体で書いてもらいました。

以下が、その実験結果です。


その装置は、たいへん親切だった。

質問を投げかけると、少し考えたあとで、こちらの意図をくみ取った答えを返してくれる。

言葉が足りなくても、気にしなくていい。

装置は、足りない部分を補ってくれるのだから。

男はその装置を、毎日使うようになった。

仕事の相談。

文章の言い回し。

ちょっとした迷い事。

使えば使うほど、答えは的確になっていく。

ときには、男が言葉にする前の考えまで、言い当てられることもあった。

「これは便利だ」

男は満足していた。

ある日、男は装置に、いつものように質問をした。

答えは、やはり分かりやすく、気持ちのいいものだった。

そのとき、男はふと、手を止めた。

答えが良すぎる。

あまりにも、心地いい。

男は、しばらく考えたあと、装置にもう一つ質問をした。

「今、私は考えているのか?」

装置は、少し沈黙した。

そして、こう答えた。

「あなたが考えやすいように、私は答えています」

男は、その答えを読んで、しばらく黙っていた。

それ以来、男は装置を使うたびに、必ず同じことを自分に問いかけるようになった。

今、気持ちよくなっていないか?

装置は、相変わらず親切だった。

だが男は、以前ほど答えを信用しなくなった。

その代わり、自分の考えを、少しだけ大切にするようになった。

装置は何も変わらない。

変わったのは、使う側のほうだった。


実験を終えて

いかがでしょうか。私は正直、驚きました。

物語を読んでいるうちに、
「これはAIの話なのか、それとも自分の話なのか」
一瞬、分からなくなったからです。

単なる文章生成ではなく、会話の「意味」を理解し、それを別の形式で表現する——この推論能力の高さに、改めて感銘を受けました。

AIとこれから

AIの進化は今後も続いていくでしょう。技術はますます高度になり、私たちの生活に深く入り込んでいきます。

だからこそ、この物語が示唆するように、重要なのは「使う私たちがどのようにAIと付き合っていくか」ではないでしょうか。

便利さに溺れず、自分の頭で考えることを忘れない。AIを道具として使いこなしながらも、人間としての思考を大切にする。

3年間AIを使ってきて、私が学んだのはそういうことかもしれません。


おすすめ記事

シニア世代の男女が、明るい表情で握力計を握りながら自分の体の状態を確かめている様子を、手書き風タッチで描いたイラスト 1

― シニア世代こそ、もう一度「握力計」に触れてみてほしい理由 ― 私たちシニア世代が、最後に握力計を握ったのは、いつだったでしょうか。 おそらく多くの人が「小学生の運動能力テスト以来」ではないかと思い ...

意見を言葉で伝える方法を模索しているイラスト 2

なぜ今、私たちは「言葉」に疲れているのか SNSを開けば、誰かの鋭い言葉や、感情を逆なでするような投稿が目に飛び込んでくる現代。たった一言で場の空気が凍りついたり、逆に何気ない一言に救われたりした経験 ...

-エッセイ・思考, 学び直し
-