〜1日15,000歩歩く私が、あえて“ウォーキング”を始めた理由〜
私は仕事で毎日15,000歩ほど歩いています。
それだけ聞けば、「運動は十分」「健康にも問題ない」と思われるかもしれません。実際、私自身もそう思っていました。
歩いている時間は多いけれど、それが本当に「健康につながっているのか?」という疑問が湧いたのは、ある日腰のだるさと睡眠の質の低下を感じた時でした。
「これだけ動いているのに、どうして体が重いのだろう?」
そんな疑問を抱えながら過ごす中、テレビで紹介されていた「姿勢を意識したウォーキング法」が気になり、自分なりに実践してみたのがきっかけです。
それが想像以上に効果があり、ただの移動とは違う“自分のためのウォーキング”の魅力を実感することになりました。
歩数より大事なのは「歩き方」だった
私の仕事ではかなりの距離を歩きますが、目的は「移動」です。
常に次の目的地や時間に追われ、姿勢もペースも気にしていません。
息が上がっても、「仕事だから仕方ない」と無理をしていたこともありました。
一方で、“ウォーキング”は「自分の体と心に目を向ける時間」です。
意識して歩くと、見えてくる世界も体の感覚もまるで違いました。
意識したことで気づいたこと
- 呼吸が浅かったことに気づき、ゆっくり深く吸うようにしただけで疲労感が減少
- 背中が丸まり、首が前に出ていたことで肩がこっていた
- 自然の音や季節の匂いに、こんなにも癒されるのかと感動
これは“移動としての歩き”では絶対に味わえなかった体験です。
ウォーキングは、心と体を同時に整えるセルフケアの時間と言えるのではないでしょうか。
自分の身体と対話する、調律の時間
歩いていると、体のバランスの悪さに気づくことがあります。
私の場合は特に、右足の着地が強く、左側の腰が張りやすいことがわかりました。
それもそのはず。仕事中は常に道具や荷物を右手で持つ習慣があり、左右に偏った使い方をしていたのです。
ウォーキングでは、左右均等なフォームを意識します。
その結果、以前よりも姿勢がまっすぐになり、肩や腰のコリが減ったことを実感しています。
また、30分歩くことでじんわり汗をかき、心地よい疲労感とともに食事も美味しくなりました。
これは健康面だけでなく、生活の質(QOL)そのものが上がると感じています。
懐かしい道を、もう一度歩いてみた
連休のある日、ふと昔住んでいた街を歩いてみたくなりました。
地図アプリでルートを確認し、かつて通った小学校までの道をウォーキングコースに設定。
歩いてみると、驚くほど記憶がよみがえってきました。
- 角の駄菓子屋がカフェに変わっていた
- 友達と追いかけっこした公園は、今もブランコが残っていた
- 見上げる校舎に、懐かしい気持ちが込み上げてきた
歩くスピードがゆっくりだったからこそ、こうした“発見”と“記憶の再生”が起こったのだと思います。
まさに、心を活性化させるウォーキングでした。
続けるためのちょっとした工夫
どんなに体に良くても、続けられなければ意味がありません。
そこで、私が試してみて良かった「続ける工夫」をご紹介します。
🎧 お気に入りの音楽とともに
ウォークマン世代の私には、音楽と歩くことの相性は抜群です。
ピンク・レディーやオフコースの名曲を流しながら歩くだけで、気分はぐっと前向きになります。
📱 歩数アプリで記録を残す
iPhoneの「ヘルスケア」やAndroidの「Google Fit」で、歩数や距離、消費カロリーをチェックしています。
毎日数字が貯まっていくのが嬉しく、日記のような感覚で記録できるのもおすすめポイント。
👟 靴選びにはお金をかける
安い靴だと膝や足首に負担がかかりやすいので、シニア向けのウォーキングシューズを選びました。
クッション性と通気性が高く、靴ずれもなく快適です。
おわりに:「歩く」はただの移動じゃない
私はこれまで「歩く=仕事」と思ってきました。
でも、ウォーキングはまったく違う世界を見せてくれました。
- 自分の身体と会話する時間
- 心を整える時間
- 思い出と再会する時間
60代からでも遅くありません。むしろ今だからこそ、“歩くことの価値”を見つけられたのだと思います。
今日の一歩が、10年後の元気をつくる。
過去を振り返りながら、未来を整える。そんなウォーキングを、あなたも始めてみませんか?