エッセイ・思考 学び直し

興味は才能じゃない。設計できる力だ

― 興味が湧かない時の処方箋 ―

「最近、何にも興味がわかない」そんな声をよく聞きます

若い頃は、
いつの間にか時間を忘れて熱中していたのに。
大人になると、新しいことに心が動きにくい。

「自分はもう、何かに夢中になることはないのかな…」

そう感じてしまう瞬間があります。

でもこれは、能力の低下ではありません。
脳の仕組みと“興味の設計”を知らないだけなんです。


興味の正体は「脳が出すごほうび」

何かを理解できた瞬間、
脳ではドーパミンという 「快感のごほうび物質」 が出ます。

  • できた!
  • わかった!
  • 少し前進した!

この小さな成功の積み重ねが
興味の炎を燃やし続ける燃料になるのです。

逆に…

  • 難しすぎる
  • 意味を感じない
  • 完璧を求める

こんな状況になるとごほうびが出ず、
一気にやる気が冷めます。

興味とはわがままな生き物ですね。


興味が止まる瞬間に起きていること

大人になると…

  • 失敗したくない
  • できない自分を見たくない
  • 人の評価が気になる

こうした心理が強くなります。

すると脳は

「やめておくのが安全」

と判断してしまい、興味スイッチを切ってしまうのです。


興味は設計できる

ここからが一番大事な部分です。

興味は才能ではなく、
正しく育てれば誰でも湧いてくる性質なんです。

そのための3ステップをご紹介します。


ステップ1:小さく、浅く、今すぐ

興味の火は、
小さなマッチで簡単につけられます。

  • 5分だけやる
  • 文章なら1段落だけ読む
  • 運動なら5回だけ動かす

「すぐできる」「すぐ終わる」
この感覚こそが成功体験になります。


ステップ2:自分の物語と結びつける

人は「意味」あるものに惹かれます。

例えば、

  • 健康のために歩く → 続かない
  • 孫といつまでも遊ぶために歩く → 続く

同じ行動でも、物語が変われば興味の質も変わります。


ステップ3:成果を見える化する

成長が見えると
脳が「またやりたい!」と言い始めます。

  • チェックリスト
  • 写真
  • 一行日記

記録は未来の自分へのエールです。


興味は「何歳からでも育つ」

シニア世代は特に、

  • 経験が豊か
  • 意味づけが上手い
  • 広い視野を持てる

実は、興味を持つ力がとても高い世代なんです。

興味は年齢とともに減るのではなく、
磨ける方向が変わるだけ


今日の一歩が、未来の興味をつくる

最後にひとつ、確信を込めてお伝えします。

興味は生まれつきではない。
設計すれば、必ず湧いてくる。

小さくていい。
完璧じゃなくていい。

今日、1つだけやってみる。
その一歩が、未来の自分を動かします。


興味のタネを育てるワーク

  1. 気になることを3つ書く
    (好きでなくていい。「ちょっと興味ある」でOK)
  2. 今日5分でできることを1つ決める
  3. やったら日付をつけて○をつける

たったこれだけ。
でも、興味はここから育っていきます。

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