知りたいという気持ちには、それ自体に理由はいらない。前にそんなことを書きました。
日本史を調べているうちに寺や神社が気になり、そこから仏教の歴史、朝廷や武士との関係へと、知りたいことは尽きません。
ギターも同じで、メロディーは指が追いかけてくれるのに、伴奏になると次のコードがすぐには出てこない。
「これは練習できないだろうか」、そんなことが気になるようになりました。
けれど最近は、そこからもう一歩進むようになりました。
気になったことを、知って終わりにするのではなく、自分に合った学び方そのものを作れないか、と考えるようになったのです。
以前なら、何かを学びたいと思ったら、自分に合う本や教材を探していました。もちろん今でも、本や講座は大切です。
でも最近、そこにもう一つの方法が加わりました。
自分に合う教材がなければ、自分で作ってみる。
AIのおかげで、そんなことが個人でもできるようになってきました。
AIと会話しながら作る
私は最近、AIに「こんなものを作りたい」と相談し、コードを書いてもらいながら少しずつ形にしています。こうした作り方を「バイブコーディング」と呼ぶようですが。私はこの方法で、小さな学習アプリを作っています。
仏教史の流れをたどれるアプリ。戦国時代の出来事のつながりと場所を確認できるアプリ。ギターの次のコードを予測する感覚を練習するアプリ。

どれも本格的な教材を作ろうと思って始めたわけではありません。「こんなものがあったら、自分は覚えやすいのではないか」というところから始まりました。
以前の私なら、「そんなアプリがあったらいいな」と思って終わっていたはずです。プログラムを一から作るには、専門的な知識が必要だと思っていたからです。
ところが今は、「こういう画面にしたい」「ここを押したら、この説明が出てほしい」「こういう問題を出してほしい」とAIに伝えながら、少しずつ形にしていくことができます。
もちろん、思った通りに動かないこともあります。AIが出したものをそのまま使えるわけでもありません。それでも、分からないところを聞きながら少しずつ直していくと、自分が使えるものになっていきます。
使ってみると、また直したくなる
面白いのは、アプリが完成して終わりではないことです。
実際に自分で使ってみると、「ここは見にくい」「この順番では覚えにくい」「もう一問ほしい」ということが出てきます。
そこでまたAIに相談します。「ここをもう少し簡単にできないか」「間違えた問題だけ、もう一度出せないか」「出来事を地図と一緒に見られないか」
そうやって少しずつ変えていきます。
市販の教材なら、自分が教材に合わせます。でも、自分で作る教材なら、その関係を少し逆にすることができます。
教材に自分を合わせるのではなく、自分の学び方に教材を合わせていく。
これは、私にとってかなり大きな変化でした。
自分がどこで分からなくなるかが見えてくる
AIと教材を作っていると、もう一つ面白いことがあります。自分が何を分かっていないのかが、少しずつ見えてきます。
たとえば、「戦国時代の出来事を覚えたい」と思っていても、実際に作り始めると、年号を覚えたいのか、人物の関係を知りたいのか、場所とのつながりを見たいのかで、必要な教材は変わります。
ギターでも同じです。「コード進行が分からない」というだけでは、まだ漠然としています。次のコードを当てたいのか。よく出てくる流れを覚えたいのか。耳で聞いて感じられるようになりたいのか。
AIに説明しようとすると、自分が本当は何を練習したいのかを考えることになります。
教材を作ることが、そのまま自分の学び方を考えることにもなっているようです。
歳を重ねてからの学びにも合っている
歳を重ねると、新しいことを覚えるのは、若いころと同じようにはいかない部分もあると思います。私自身、そう感じることがあります。
でも、長く生きてきたからこそ、「あれはどういうことだったのだろう」「昔から気になっていたけれど、ちゃんと調べたことがない」というものも増えてきます。私にとって日本史もその一つでした。
そして今は、その「知りたい」に合わせて、学び方まで自分で変えられるようになってきました。「自分には、どんな学び方なら続けやすいだろう」そんなことまで考えられるようになったのです。
- 分からない言葉があれば、その場でAIに聞く
- 難しければ、もっと簡単に説明してもらう
- 自分の理解に合わせて問題を作ってもらう
- 必要なら、自分用の小さなアプリまで一緒に作る
昔なら、教材を探すところで終わっていたかもしれません。今は、「自分には、どういう形なら分かりやすいだろう」と考えながら、学ぶ道具そのものを変えることができます。
AIが答えをくれるだけではない
AIというと、質問すれば答えを教えてくれるもの、という使い方がまず思い浮かびます。もちろん、それも便利です。
でも最近の私は、それだけでは少しもったいないように感じています。
答えを聞くだけではなく、「私はこういうことを覚えたい」「こういう練習をしたい」「自分にはこの方法では分かりにくい」と伝えることで、AIは自分に合った学び方を考える相手にもなります。
そして、ときにはその方法を、実際に使える道具にまでしてくれる。
AIが私の代わりに学んでくれるわけではありません。覚えるのも、考えるのも、面白いと思うのも私です。
でも、そのための道具を作るところまで手伝ってもらえるようになった。これは、今までとは少し違う学び方だと思います。
自分に合う教材を探す。そこからもう一歩進んで、自分に合う教材を、自分で作る。
「知りたいから知りたい」という気持ちだけでも、もう十分だと思っていました。でも今は、その気持ちを、自分だけの学び方にまで育てていくこともできる。そんな時代になったのだと思います。
以下の記事では私がバイブコーディングで作ったアプリを紹介しています。